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原始反射


発達のカギとなる
主な原始反射一覧


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恐怖麻痺反射
(FPR:Fear Paralysis Reflex)

▷恐怖麻痺反射(FPR)とは
お腹のなかの赤ちゃんが
自分の身を守り生き残るための反射です。

お母さんの心理的ストレスや、肉体的ストレス、衝撃、添加物など、さまざまな環境のストレスを受けたときに、赤ちゃんはキュッと背面を固めることで外界のストレスから身を守っています。

この反射があるからこそ
赤ちゃんは無事に生まれてくることができるのですね。


一方で、生後も「固めて守る」反射をつよく保持していると、“引っ込み思案、不安感がつよい、新しい環境への恐れ”などの姿としてあらわれることがあります。

「固まる」というのは、言葉少なに臆病になる場合だけではなく、“その子にとっての不安”を感じたときに、泣きわめいたり、大声で叫んだりして、なかなか気分が切りかえられずに「固まって動かなくなる」姿としてあらわれることもあります。

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恐怖麻痺反射の保持によって、以下のような傾向があらわれる可能性があります。参考にしてみてくださいね。
          
✔︎ちょっとしたことに怯えたり、不安感がつよい

✔︎ストレスがかかると息を止めたり呼吸が不安定
✔︎初めての環境や状況の変化を過度に恐れる
✔︎落ち込みやすかったり、被害的思考がつよい
✔︎自己否定がつよい
✔︎場面緘黙など、ストレス状況下で固まる
✔︎ストレスへの耐性が低い
✔︎勝ち負けなどの優越がでるような活動を拒む
✔︎身近な人との信頼関係、愛着形成を築きにくい
✔︎肌・音・においなどへの感覚過敏や、視機能(見る力)の未熟さ

モロー反射(Moro)

▷モロー反射とは
赤ちゃんがパッと両手を広げ、その直後にしがみつくように体を丸めるうごきを見たことがありませんか?その反射のうごきがモロー反射です。

赤ちゃんが本能的(無意識)に危険を感じたとき、モロー反射が「警報」の役割となり、脅威や危険への準備として、自分の身を守るうごきのモロー反射が機能します。

たとえば荒っぽくふれる、光や音の過剰な刺激、急に頭がかたむく、体が落下するといった刺激によっても、モロー反射は引きおこされます。

生まれながらに備わった「闘うか・逃げるか」という闘争・逃避反応でもあります。

赤ちゃんの発達にとって必要なモロー反射も
その後保持したままでいると、必要のないときまで「闘うか・逃げるか」のサバイバルモードで生きているので、脅威や危険に対してとても敏感で、エネルギーを消耗します。

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モロー反射の保持によって、以下のような傾向があらわれる可能性があります。参考にしてみてくださいね。

          
✔︎友だちを叩くことが多かったり攻撃的
✔︎じっとしていられないなど、多動傾向
✔︎対象物を“注視”することがむずかしい
✔︎ADHD(注意欠陥多動性障害)
✔︎音、光などの刺激に対して敏感
✔︎乗りもの酔いしやすい
✔︎注意力散漫
✔︎偏食
✔︎人に頼れず自分でやらないと気がすまない
✔︎力加減ができない
✔︎感情が爆発したりたかぶりやすく、衝動的
✔︎花粉症などアレルギー体質やぜんそく
✔︎待つのが苦手、順番を守ることが困難

探索・吸啜反射
(Rooting & suck Reflex)

▷探索・吸啜反射とは
探索反射は、赤ちゃんのぽっぺや口周りをさわると、そちらに顔を向けるうごきです。
吸啜反射は、赤ちゃんの口周りにふれると、舌を出して吸うような仕草をします。

これはおっぱいを吸うために必要な反射です。

バブキン反射(おっぱいを飲むときの手のうごき)とのかかわりが深く、
“手のうごき”が噛むことや“話すこと”につながっていて、また“噛むことや話すこと”が、“手の器用さ”にもつながっていることがわかります。

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探索・吸啜反射の保持によって、以下のような傾向があらわれる可能性があります。参考にしてみてくださいね。
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✔︎言葉のおくれがある
✔︎噛んだり飲み込むことが苦手
✔︎指をしゃぶったり、爪噛み
✔︎えんぴつや物を口に入れてかじる
✔︎手作業に集中すると舌がでる
✔︎口周りがゆるい
✔︎歯磨きのときにオエっとなりやすい
✔︎食べるときに音を立ててしまう
✔︎口から食べ物をこぼす、たらす
✔︎NOが言えない

足底反射
(プランター反射・バビンスキー反射)

▷足底反射とは
足底反射には、プランター反射とバビンスキー反射があります。

足裏を刺激されると、足指でギュッとつかむようなうごきをするプランター反射は、足の小さな筋肉を発達させる反射で、
赤ちゃんが足をバタつかせる、寝がえりをうつなどの大きな動きにつながっていきます。

プランター反射が残っていると、歩くときのバランスに影響を与えるので、歩き始めが遅くなることがあります。

バビンスキー反射は、足裏の外側をこすると、足指が外側に扇のように広がる反射です。

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足底反射の保持によって、以下のような傾向があらわれる可能性があります。参考にしてみてくださいね。
          
✔︎走り方がぎこちなかったり遅い
✔︎歩くことを嫌がったりすぐに疲れてしまう
✔︎内股
✔︎巻き爪や外反母趾
✔︎捻挫をしやすい
✔︎くつを履くことをいやがる
✔︎足指に力が入っていて広がりにくい
✔︎考えごとをするときに足指を丸める
✔︎緊張すると足が浮いた感じがする
✔︎扁平足
✔︎くつ底が部分的に減りやすい
✔︎新たな一歩をふみだすのに時間がかかる

手掌把握反射
(Palmer Reflex)

▷手掌把握反射とは
赤ちゃんのてのひらを触ったときに、ギュッと握り返してくれるかわいい手のうごき。これが手掌把握反射です。

手の“バブキン反射”とも影響しあいながら、おっぱいを吸うときの助けにもなっています。

口と手のうごきは連動し影響を与えあっていて、
それぞれが発達していくことによって口と手のうごきも分化していきます。

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手掌把握反射の保持によって、以下のような傾向があらわれる可能性があります。参考にしてみてくださいね。
          
✔︎頭の中の考えを話すより、書いてまとめることに時間がかかる
✔︎気もちを言葉にするのが苦手
✔︎字を書いたり、手先の作業に集中すると、口や舌がうごく
✔︎滑舌がわるい
✔︎吃音がある
✔︎手放すことが苦手
✔︎書くことをいやがる
✔︎えんぴつ、スプーン、お箸の持ち方がおかしい
✔︎親指を使ってにぎる、つまむなどがむずかしい
✔︎手をつなぎたがらない
✔︎ピアノや手を使った遊びのときに姿勢が崩れやすい

緊張性迷路反射(TLR)

▷緊張性迷路反射とは
バランスや空間認識などに機能する“前庭覚”と“首”の上下のうごきに大きく関わっている反射です。

正しいハイハイの姿勢をとる助けにもなり、
奥行き、距離感、スピードなどを感覚的に認識して、安全に歩けるようになることにもつながっていきます。

バランス能力や、視覚機能に影響するこの反射が残存することで、ノートを見て頭を下方に傾けている状態の姿勢をつらく感じていることがあり、
そのため、集中力がないと思われたり、一見多動のように見受けられることがあります。

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緊張性迷路反射の保持によって、以下のような傾向があらわれる可能性があります。参考にしてみてくださいね。
          
✔︎グラグラせずに気をつけで立っていることが困難
✔︎上を見上げるとバランスを崩しそうになる
✔︎エスカレーターや階段でぐらついて怖い
✔︎スケルトンの階段や床がこわい
✔︎高所恐怖症
✔︎腹筋はあるのに、腹筋運動が苦手(足が一緒に上がってしまう)
✔︎足をイスの足に巻きつけて座る
✔︎机に突っ伏して座る、すぐほおづえをつく
✔︎すぐ横になりたがる
✔︎視覚の問題
✔︎キャッチボールが苦手

非対称性緊張性頸反射(ATNR)

▷非対称性緊張性頸反射とは
腕と頭(視覚)の左右のうごきの反射で、
赤ちゃんの頭を左右の一方に向けると、同じ側の腕と足がまっすぐに伸び、反対側の腕と足は内側に曲がるうごきです。

この反射は、出産時に赤ちゃんが自分でうごいて産道を通る助けになってくれます。

また、自分の腕と頭が連動することによって、距離感覚をつかみながら、目と手の協調性が育っていきます。

生まれてしばらくは、この反射によって注意がひかれるものに視点が向いていきますが、
その後も反射が保持されていると、自分が意識を向けたいもの以外にも不必要に視点が向けらてしまい気が散りやすくなる、ということが起こりえます。

また、腕と頭が連動してしまうので、さまざまな運動能力にも影響をおよぼします。

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非対称性緊張性頸反射の保持によって、以下のような傾向があらわれる可能性があります。
参考にしてみてくださいね。
          
✔︎左右をまちがえたり、左右対称の形を理解しがたい
✔︎横書きの文章が読みづらい
✔︎正中線をまたぐ動きがむずかしい
✔︎片目ずつ使って見ている
✔︎斜視
✔︎クロールでどちらか一方の息継ぎが苦手
✔︎ピアノなど左右別々の手のうごきがむずかしい
✔︎考えを文字にするのに時間がかかる
✔︎えんぴつなどを強く握りしめていたり、持ち方がぎこちない
✔︎目と手の協調の困難さがある

対称性緊張性頸反射(STNR)

▷対称性緊張性頸反射とは
赤ちゃんが腹ばいから四つばいになるときに必要な反射です。

“ロッキング”といって、四つ這いで体を前後に揺らしながら、視線を遠くを見て、近く(床)に移すことで、視覚の遠近調節機能も育てています。

この反射が発達しなかったり、保持したままでいると、背中の筋緊張度が低くなり、姿勢を保つために必要な筋肉に影響がでます。

また遠近調整視覚が育ちにくくなります。

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対称性緊張性頸反射の保持によって、以下のような傾向があらわれる可能性があります。参考にしてみてくださいね。
          
✔︎黒板とノートを交互に見るのがむずかしい
✔︎ハイハイの姿勢の際におしりが床につく
✔︎四つ這いになりたがらない
✔︎平泳ぎが苦手
✔︎足を伸ばして座るのがつらい
✔︎食べこぼしが多い
✔︎自分の気もちを言葉であらわしづらい
✔︎サッカーなど目と足を使う運動が苦手
✔︎ガニ股、反り腰で猿のように歩く
✔︎ズボンがひんぱんに腰に落ちてくる
✔︎目の使い方に問題がある(遠近・両眼視)

脊髄ガラント反射

▷脊髄ガラント反射とは
腰あたりの片側をなぞることで、同じ側のお尻が持ち上がったり、脊柱が曲がったりする反射の動きで、産道を通るときのお尻のうごきの助けともなっています。

この刺激によってもたらされる反応の一つが「排尿・排便」です。

この反射が保持されていると、服や背もたれなど、腰回りに軽くふれるだけで、モゾモゾと落ち着かず、姿勢を保つことや意識の集中がむずかしかったり、排尿、排便のコントロールがうまくいかない傾向があります。

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脊髄ガラント反射の保持によって、以下のような傾向があらわれる可能性があります。参考にしてみてくださいね。
          
✔︎おもらしぐせなど、排泄のコントロールに課題がある
✔︎パンツやシャツのタグが苦手
✔︎タイトな服が苦手
✔︎貧乏ゆすりをよくする
✔︎背もたれのあるイスがいや
✔︎歩きかたがぎこちない
✔︎腰痛がある
✔︎上半身と腰を別々に動かすのがむずかしい